わらしべ長者みたいな話(その1)
最初の出会い
私が今の街に引っ越してきた時、知っている人は誰もいないと思っていました。ジョギングをしていると目立ち、顔が知られるようになりました。徐々に顔見知りが増え、畑をやっているお爺さんとも知り合いになりました。
ジョギング中にその方に「畑楽しそうですね」と何度も言っていると、そのうち「あなたも本当に畑をやりたいですか」と聞かれました。「やりたいです」と私は即答しました。するとおじいさんは「じゃぁ挨拶に行こう」と、私を地主さんにすぐに連れて行ってくれました。そこまで急展開になるとは思ってもいませんでした。
何が何だかわけがわからず、ただただついていきました。そのおじいさんは私を地主さんに「この子が今日から畑をやるからいいよね、よろしく」と紹介してくれました。地主さんも「はい、どうぞどうぞ。よろしくお願いします」と快諾してくださいました。
速攻で畑開始
そこから徒歩1分の畑に移動しました。私の紹介者のおじいさんは、仲間たちに向かって叫びました。「おーい、今日からこの人が畑をやるから、小屋の解体ストップ!」以前そこで畑をしていた方はご病気で亡くなってしまい、その方が建てた小屋を畑仲間の方たちが悲しみながら解体しようとしていたところでした。まさにその時でした、私が畑に来たのは。
それ以降私の畑ライフが始まりました。右も左もわからないながらも、とりあえず道具だけはありました。ここから私の人生は変わっていきました。おじいさんにジョギング中に話しかけて5分後には、400m²の畑がタダで手に入ったのです。
笠地蔵
右も左もわからない私が、とりあえず畑を鍬で耕していました。周りの人が声をかけてくれ、まだ収穫物ができない私に皆さんの畑で取れた野菜をくれました。そのうち私の玄関にどなたかの野菜が置かれてあるようになりました。名前がわからないのでお礼の言いようがないのです。傘地蔵のようなことが続きました。
(続く)
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